第14章 きみは手のひらの上 罪と罰❄︎【善逸・無一郎】
学校側には事情を説明しすると休学にしておくと、産屋敷校長が言ってくださり、そういうことになっている。
クラスメイトには体調を崩し、長期入院、その後祖父母の元に帰っていることになっているらしい。
あれから数ヶ月経ち、わたしは無事に双子の男の子を出産した。
善逸によく似たキラキラとした金髪、わたしによく似た瞳の男の子と、その子とは対照的なわたしによく似た黒髪、無一郎によく似た透き通るような翡翠色の瞳の男の子。
わたしはふたりの子どもを妊娠し、出産した事実を突きつけられた。
生まれた子どもに罪はないけれど、この子たちを見ると罰なんじゃないかと思うようになった。
それをおばあちゃんに相談したら、おばあちゃんは笑って「ふふふっ、産後ブルーなのね。いまはそれでいいのよ」と、わたしの頭を撫でてくれた。
おばあちゃんが帰ってから、わたしは双子の名前を決めなくちゃと名前の候補の書いてある本を開いた。
双子はお互いにあまり似ていないのは、二卵性だったから。
それぞれ、別の場所が遺伝したのは少し予想外だった。
今は良くても、大きくなったらいじめの対象になるかもしれない、そう思うと怖くなる。
それなら名前に繋がりがあったほうがいいかなと、ふたりの共通点を探すもいいものが思い浮かばない。
どうしようと思いつつ、窓の外を見た。
雲が少しかかった夕陽が山の向こうに沈みかけているのを見ると、まるでわたしの心の中のようだった。
今日は考えるのを止そう、と思い本を閉じると隣ですやすやと眠る双子を見て、携帯を取り出しぱしゃりと写真を撮った。
ふたり並んで同じ表情で、同じ姿勢で寝ているものだから思わずふふふと笑みが溢れた。
わたしは携帯の操作をいくつかしてから、画面を暗くした。
『どうかこの子たちが幸せでありますように…』
そう呟き、色の違う双子の頭を優しく撫でた。
❄︎