第14章 きみは手のひらの上 罪と罰❄︎【善逸・無一郎】
「ただいまー」
家に帰ると、来客なのか見知らない靴が2足あった。
返事が返ってこないのを不審に思いつつ、リビングに行くと涙を流し、ハンカチで拭く母親と冷や汗をかき申し訳なさそうに俯く父親がいた。
その向かいには年配のおじさんとおばさんが2人並んでいた。
「え、どうしたの…母さん、父さん」
俺の言葉に父親が怒った顔をし、立ち上がったと思ったら俺の頭を掴み土下座をさせた。
俺は何が何だか分からず、されるがままになっていたが、父親の言葉を聞いて初めて、罪の意識を感じた。
「このバカ息子が椿姫さんを妊娠させてしまい、本当に申し訳ありませんでしたっ!!」
「え…?」
俺の口からは間抜けな声しか出なかった。
「私たちはそんなことを聞きたいんじゃない。どうして椿姫を強姦まがいに襲い、妊娠させたかを聞きたいんだ!」
声を少し荒げたおじさん…椿姫のおじいさんはそう言った。
俺は記憶を呼び起こし、事の顛末を話し始めた。
話し終える頃に、ピンポーンと家のインターホンが鳴った。
母親がそれに出ると、玄関に向かい複数の足音が聞こえた。
そちらを見ると、無一郎と両親が揃ってリビングに入って来た。
無一郎の母親も父親も顔色が悪く、母親は震える手を押さえ込むようにぎゅっと握りしめていた。
「この度は、椿姫さんを傷つけてしまい、申し訳ありません」
無一郎の父親はそう言うと頭を下げ、それに習うように母親も無一郎も「すみませんでした」と言ってから頭を下げた。
そこから、我妻家と時透家、雪柳家の三家での話し合いが始まった。
椿姫は妊娠していて、中絶できる時期を過ぎていること。
俺たちに強姦され、薬を盛られ、妊娠をさせられたこと。
これからのことを話し合った。