第14章 きみは手のひらの上 罪と罰❄︎【善逸・無一郎】
わたしは買い物に行ってくるねと祖父母の家を出て、ドラッグストアに向かう。
そこで妊娠検査薬を買い、そこのトイレに入り検査をするとすぐに結果が出た。
『………』
くっきりと浮き出た陽性の印に、目の前が真っ暗になるのを感じた。
あれからどうやって祖父母の家に帰ったのか覚えていない。
「椿姫?大丈夫か?」
部屋の外から心配した声を滲ませながら、おじいちゃんとおばあちゃんの声が聞こえる。
わたしは思ったよりも小さく、震える声で
『大丈夫だよ、ありがとう』
と答えるので精一杯だった。
善逸や無一郎に知らせるべきか、など考えるもメッセージアプリを開くと軽く4桁を超える数字が目に入り、わたしはそれに既読をつけることなくアプリを閉じた。
電話も毎日鳴り、それにすら出ない日々が続いた。
気づけば中絶できる日にちが過ぎていた。
こうしていられない、とわたしはおばあちゃんに話すことにした。
『おばあちゃん、どうしよう…』
「ん?どうしたの?」
『わたし、妊娠しているの…』
目を見開き、驚く表情を浮かべたおばあちゃんの顔をわたしはじっと見ていた。
「ど、うして…」
『夏休み中にね…幼なじみのふたりから…』
おばあちゃんに全てを話した。
善逸と無一郎から強姦まがいのことをされて、中に出されたこと、中絶できる日数をおそらくすぎていることを。
おばあちゃんは涙ながらに全てを聞いてくれた。
わたしはその日おばあちゃんに連れられて、産婦人科に向かった。
診察を終えると、先生に
「おめでとうございます。双子を妊娠していますよ」
と言われた。
わたしは頭を鈍器で殴られた気分だった。
❄︎