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【鬼滅の刃】雪夜の花【短・中編集】

第13章 たくさんの幸せと少しの涙【不死川実弥】



「椿姫、出かけてくるな」
『はい!お夕飯は一緒に取りますか?』
「あぁ、そうする。昼は外で取る予定だからなぁ」
『わかりました!気をつけてくださいね』

わたしは出かける実弥さんを見送るために、玄関まで来た。
少し前から実弥さんはこの日出かけると言っていて、わたしは久しぶりにひとりで過ごすことになっていた。

実弥さんを見送ると家事をこなしていく。
洗濯物を洗濯機に入れスタートボタンをオンにし、朝食時に使った食器を洗い、洗濯物を畳む。
それから部屋の掃除をして、洗い終えた洗濯物を干すとひと通りやるべきことが終わる。

ふーっと一息つく。
最近どうも疲れやすく、どうしたのだろうとカレンダーをみると生理がきていないことに気付いた。

『まさかね…あ、でも最近避妊してなかったし…万が一ってこともある…』

わたしはひとり考えると、財布や携帯、念のために保険証などバッグに詰め込むとドラッグストアに向かった。

ドラッグストアで検査薬を買い、トイレに駆け込むように入り使うとハッキリと陽性反応が出た。
わたしはしばらく放心状態だったが、まだお昼前で病院の受け付けがまだ大丈夫な時間だったため、その足で産婦人科に向かった。

病院では心拍が確認でき、お医者さんから「おめでとうございます」と言われた。
その帰りに市役所へ行き母子手帳を貰った。

帰ってからご飯を作るのが面倒だったため、そのままお洒落なカフェに入り昼食を取り、店を出て近くのショッピングモールに足を運び時間を潰す。
その間に実弥さんに、大切なお話があるから早く帰ってきてね、とメッセージを入れた。
そのまま本屋さんにより、欲しかった本と育児関連の本を数冊購入し帰ろうと店を出ると、向こう側のお店の前に実弥さんが歩いているのが見えた。

『え…どう、して…』

実弥さんの隣には知らない女の子が居て、実弥さんに腕を絡めて楽しそうに話していた。
わたしはそれを見ていたくなくて逃げるように家に帰り、購入した本や持っていたバッグをその辺に放るとソファに倒れ込んだ。

『どうして…』

わたしは溢れ出る涙をそのままに、ソファに寝そべったまま実弥さんが浮気をしているとぐるぐると悪い方向に考えてしまう。

そう思うとどうしても涙が止まらず、いつの間にか泣き疲れてそのまま寝てしまっていた。

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