第11章 秘密な空間❄︎【時透無一郎】
あれから僕は気を失った椿姫さんを数度も抱いた。
気を失っていても反応はするし、時折声が漏れる。
自分の性欲が落ち着かないのが怖く感じる。
何度も何度も椿姫さんの最奥に、いつもの倍以上の量の欲を吐き出した。
それでも落ち着かないし、なんならもっと、もっとと欲が出てくるほどだ。
テーブルには何度も瓶が補充されていたが、途中から飲むのをやめた。
ガスの噴射があるため、僕自身の性欲は完全に止まることはなかった。
やっとその欲が止まるころに、椿姫さんを抱き潰したことに気づいた。
椿姫さんは何度も気を失い、快感で目を覚まし、また気を失う、これを何度も何度も繰り返した。
途中から椿姫さんは泣きながら、やめて、やだ、と否定的な言葉を言いながら絶頂を迎え、そして気を失う。
ぐったりとしていている椿姫さんの顔を見ると、目元が赤くなり、ずっと泣いていたことがうかがえた。
それにも気づかないほど、自分よがりに抱いていたのか…と反省した。
目元を優しく撫でると、椿姫さんのまぶたが震え、薄っすらとまぶたが開いた。
『あ、れ…?む、いちろ…くん…?』
椿姫さんの声は掠れ、ほとんど声が出ていない状態で…
「椿姫さん、ごめん…僕、何度も椿姫さんを抱き潰していたみたい…」
僕は俯くと、椿姫さんの温かい手のひらが頬を撫でる。
驚いて顔を上げると、優しく微笑む椿姫さんがいた。
『むいちろ、くんの…全てを、受け止められなくて…ごめんね…』
椿姫さんは悲しそうに眉を下げた。
僕はそれを見て
「そんなことない!いつもいつも笑って僕を包んでくれる!僕は椿姫さんがいないと生きていけないみたいだ…」
『ふふ…わたしもだよ、無一郎くん』
椿姫さんは僕を拒絶するどころか、聖母のように僕を包み込むように、愛おしそうに僕の頬を撫でた。