第10章 藤の花のかおり【冨岡義勇】
パンッパンッパンッパンッ…
ぐじゅっ…じゅちゅっ…
『あっ、んんっ…は、ぁっ…あんっ』
「っ…はぁ…」
義勇さん自身がわたしの膣内に沈み腰を打ちつける音、結合部から聞こえる粘着質な音、わたしの嬌声、そして義勇さんの吐息。
全てが混じり合い部屋に響くように反響している気がする。
快感に支配されつつあるわたしの思考回路は、ほんのわずかの理性を残し快感に染められている。
わたしは無意識的に両足を義勇さんの腰に絡める。
それに義勇さんは驚いたような表情を浮かべたが、ふっと小さく笑うと先程よりも早く腰を打ちつけ始めた。
『ひゃ、あぁっ!』
わたしは義勇さんの背中に爪を立てガリガリと引っ掻く。
それに義勇さんはなんの反応も見せなくて、これが大人の余裕か…と頭の隅で思うと同時に、わたしの中でなにかが弾けた。
そこでわたしの意識は途切れた。
❄︎
『っ〜〜〜〜!?』
椿姫は声にならない声をあげると、膣内をぎゅうぎゅうに締め付けながら手から力が抜けぱたりと落ちた。
「椿姫…?」
椿姫の口元に手を近づけると、ちゃんと呼吸はしている。
「…気を失った…?」
どうやら椿姫は気を失っているようで、体の力が抜けぐったりと横になっている。
俺自身は不完全燃焼だったが、気を失っている椿姫をこれ以上抱くわけにはいかない、と思い自身を引き抜く。
椿姫の身体に自身の羽織りを掛けると、隊服のズボンだけ履き廊下に出て台所へ向かう。
しばらくして手に桶と手ぬぐいを持ち戻ると、椿姫の頬からはだいぶ赤みがとれていて穏やかな呼吸を繰り返し眠っていた。
手早く椿姫の身体を拭き別の敷布団に寝かし、清潔な俺のシャツを着せてから布団を掛ける。
その間に椿姫は起きる事なく寝たままだった。
俺は汚れたシーツを取り部屋の隅に投げると、湯浴みに行こうと部屋を出た。
❄︎