第10章 藤の花のかおり【冨岡義勇】
『ふ、ぁっ…あんっ…』
くちゅくちゅと舌を絡め、舌先で歯列をなぞると椿姫の身体からは力が抜け始めたのを見計らい、ゆっくりと蜜壺へ男根を沈める。
ぐちゅっぬぢゅっと粘着質な音が部屋に響き、椿姫の蜜壺の中に全て男根が収まる。
それに合わせるように唇を離せば、離れ難いようにお互いの唇を繋ぐ銀色の糸がぷつりと途切れた。
「椿姫、全て収まった」
そう言うと椿姫は目に涙を浮かべたまま、微笑み
『はい…!お慕いしている方と肌を重ねることができて、わたしは幸せです…!』
椿姫は嬉しそうに、それでいて恥ずかしそうにそう言った。
「あぁ、俺もだ。椿姫。俺もお前とひとつになれて幸せだ」
そういうと同時に愛しい人の額に、まぶたに、頬に、唇に数え切れないほどの口づけを落とす。
『ふふふっ…義勇さん、口づけのしすぎですよ』
椿姫は少し照れながらそう言った。
「これは止められない。椿姫、お前のせいだ…動いてもいいか?」
『はい、義勇さんの好きにしてください…』
椿姫は先ほどより頬を赤く染めるとそう言った。
俺は椿姫の細い腰を掴むと腰をゆるゆると動かす。
膣内はまだ狭く、椿姫自身も少し苦しそうに眉根を寄せシーツをぎゅっと掴んでいる。
しばらくすると滑りが良くなり始め、椿姫の表情も余裕が出てきたのか先程の苦しそうな表情ではなくなっていた。
『あっ、あぁっ…はぁ、あんっ…ぎ、ゆさ…』
椿姫は俺の首筋に腕を伸ばし、そのまま腕を首に絡めると
『ぎゆさ…くちづけ、して…?』
潤んだ瞳で俺の目を覗き込みそう言った。
俺は椿姫の唇を貪るように口づけをしながら、腰を打ち付ける。
パンパンパンっと激しく肌を打ち付ける音と、ぐじゅっぐぢゅっと結合部から聞こえる粘着質な音、合わせた唇の隙間から聞こえる椿姫のくぐもった声が部屋中に響く。
『あっ…ん、ふぁ…』
唇を離すと椿姫の口の端から、飲み込みきれなかった唾液がとろりと溢れて輪郭をなぞりシーツにぽとりと落ちた。
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