第9章 水底に沈む❄︎【時透有一郎・無一郎】
ひとつ、わたしを独り占めしないこと。
ひとつ、同じことを交代してやること。
ひとつ、隠し事はしないこと。
など…
抜け駆けや独り占めをするな、ということらしい。
今回のそれもそうだ。
有一郎くんの向かいに座ったら、次は無一郎くんの向かいに座る、というのを交互に行う。
ただ、セックスをするときは違う。
2人でするのではなく、3人でするのだ。
有「ねぇ、椿姫さん」
無「今日は誰もいないし、夜のプールでしない?」
彼らはにこりと笑いそう言った。
『夜の、プール?』
わたしは首を傾げた。
いつもはわたしの部屋で朝まで抱き潰すのだが、なぜふたりは夜のプールでと言い出したのだろうか。
無「そう、夜のプール」
有「普段と違うシチュエーションでやりたくない?」
彼らは息ぴったりにそう言った。
『そう、ねぇ…もう少ししたらプールの水抜く予定だから、いいわよ』
わたしは考えるように思考を巡らし、そう答えると彼らは少し悪い顔をした。
あれ…?まずいこと言ったかも…と思ったと同時に、彼らは立ち上がりこちらに寄ってきた。
有「ねぇ、椿姫さん」
無「いいこと、思いついたよ」
そう言うと、また彼らは悪い顔をして微笑んだ。
❄︎
(無一郎視点)
『あっ♡は、ぁっ♡』
椿姫さんは蕩けた表情を浮かべ、快感を受け入れていた。
椿姫さんにキスをしたときに、有一郎と僕とで媚薬を飲ませた。
夜になるまでまだ時間がある。
それまで速効性で、かつ持続時間の短い媚薬を飲ませた。
媚薬を飲んだ椿姫さんは、足がガクガクと震え立っていられない状態になった。
『あっ…♡』
僕は椿姫さんの腰を抱き、キスを繰り返す。
上顎を撫で、舌を絡め、舌をちゅぅっと吸う。
椿姫さんは潤んだ瞳でそれに応える。
しばらく口内を堪能すると、僕は有一郎に変わった。
有一郎は後ろから椿姫さんを抱き寄せ、顎を後ろに向かせキスをした。
『んっ…んんっ…♡』
椿姫さんは懸命に舌を絡めていた。
しばらくして唇を離すと、荒い呼吸を繰り返す椿姫さんの口の端から唾液が流れていた。
『あっ♡も、入れて…っ♡』
椿姫さんは恍惚とした表情でそう言った。
❄︎