第1章 ※契り※
哭き所をとらえた指は絶妙な緩急でキリカを嬲り続けた。
「お前は・・・、どうなのだ・・・」
「んぁっ・・、私はっ・・・」
「私に・・・、触れて欲しかったのではないか・・・」
囁くと、キリカのを耳朶をねっとりとねぶり回した。
「ひぁっ・・、んぅっ・・・」
欲情を帯びた低い囁きと柔らかな舌の感触に、頭の芯が霞んできた。思考が纏まらない。
「あぁっ・・・」
黒死牟は唇でキリカの顔の輪郭を辿り、首筋に舌を這わせ、鎖骨に口付けた。
「答えよ・・・、キリカ・・・」
意地悪く唇を歪めると、黒死牟はキリカの胸の頂を口に含んだ。舌で包み込むように舐め上げる。
「はぁっ・・・、あっ・・・、」
甘い声を漏らしながら快楽を享受するキリカに嗜虐心をそそられた黒死牟は蕾に軽く牙を当てた。かり、と、音を立てて甘噛みする。
「んっ、そこはっ・・・」
強すぎる刺激にキリカはひくり、と身体を震わせた。
「ここが・・・、どうしたと言うのだ・・・」
「あぁっ!」
キリカは喉の奥から鋭い声を迸らせた。再び、蕾を甘噛みされ、思わず黒死牟にしがみついてしまう。
「自分から身体を押し付けてくるなど・・・、そんなに弄って欲しいのか・・・」
「あっ、違いっ・・・、んっ!」
黒死牟の揶揄するような口調に、キリカの頬が、かぁっと赤く染まる。乱れる吐息の合間にも必死の抗議をする様に、黒死牟は喉の奥で笑った。
「やれやれ・・・。ねだったと思えば拒んでみたり・・・、忙しい娘だ・・・。だが・・・、悪くはない・・・。誘いに乗ってやろう・・・」
「んっ、駄目っ・・・」
「良い声だ・・・。抗う声も私には誘っているようにしか聞こえぬ・・・」
キリカの細腰を片手でがっちりと固定すると、耳元で艶めいた囁きを落とした。
「この肌・・・。私の手に吸い付いてくるようだ・・・」
乳房を揉みしだいた。柔らかな感触を堪能するかのように、ゆっくりと。
「・・・っ」
「もっと・・・、感じさせてやろう・・・」