【ハイキュー!!】排球人生死愛箱【ハッピーシュガーライフ】
第2章 甘いお菓子は私を満たしていく【小学生編】
小学四年生。やはりまだ子供だ。好きな異性がいるといじめたくなるのは殆どの人が経験したことある心理だろう。
後ろの人はちょんちょんと何度も背中を押したりする。#れいか#は軽くあらし合い、そんなこんなで授業が終わる。
帰りの用意をし、挨拶をすれば皆必ず#れいか#にさようならと挨拶してから帰る。好きな人には一言でも喋りたいということだろう。
#れいか#もそれを一つ一つ笑顔で対応して帰りの準備を済ませたら階段を降り、下駄箱に靴を履き替える。……が、また二つの手紙が見つかったのだ。
#れいか#は二つの手紙を纏めて持ち、裏庭に向かう。
向かうと、男の子が黒いランドセルを持ちながら一人顔を赤くしながら立っていた。
『すみません、この手紙、貴方のですか?』
敬語で朝下駄箱の中に入っていた手紙を見せると、まだ顔を赤くしながら頷いた。
「あ、え、えっと……お、俺は六年の、千葉優雅……。お、俺!じ、実は#れいか#ちゃんのことが好きなんです!付き合ってください!」
頭を下げながら手を差し伸べる小学六年生の男の子。
『千葉優雅……』
どこかで聞いたことがあると思えば、小学六年生の中で一番モテていると言う噂の人ではないか。
#れいか#は頭の隅でそんなことを考える。結構前、黒尾が千葉優雅って人が女子に凄くモテている、と少し話していたのを思い出した。
これだけモテて、#れいか#は女から嫉妬の目を向けられないのかと心配するかもしれないが、そこは心配無用だ。逆に#れいか#に近付いた女子が他の男女から嫉妬の目を向けられることが多い。なので嫉妬でいじめられるのはもってのほか。そんなことはあり得ないのだ。
なので、黒尾と孤爪。幼馴染であり、二人からしても周りから見てもとても仲がよろしいと思うのが殆だろう。いじめの標的にはならないが、殆どが羨ましいと目で訴えている。
『えっと……ごめんなさい。付き合えないです』
手を取らず、はっきりと告げる。徐々に差し伸びていた腕がふるふると震え始め、千葉も俯く。
「そっ、か。ごめん、ありがとう……な、なら、友達からでもいい?」
彼も小学六年生に対しては、随分と大人らしい。多少ショックは受けているものの、諦められないみたいだ。そう目が語っていた。
『……うんっ、勿論!宜しくね、千葉くん』
