【ハイキュー!!】排球人生死愛箱【ハッピーシュガーライフ】
第11章 私がこの世に産み落とされた日
『……うん、そうだね』
黒尾の母に呼ばれ、三人は家に入っていく。家に入る際、一番最後だった#れいか#はふと後ろを振り返った。後ろを見た孤爪は#れいか#に声をかけるが、#れいか#は何にもないとドアを閉めた。
「はぁ……眠くなってきた。足もさみ〜っ!なぁ母さん、暖房付けた?」
「付けたよ。だからあんたはさっさと風呂入んなさい。あ、#れいか#ちゃん一番に入ったら?お湯湧いてるよ」
『ありがとうございます!クロと研磨は?』
「#れいか#の手よく冷たいから早く入った方がいいよ」
「それに、先に入った方が#れいか#の入った浴槽に……」
「コラ鉄朗!」
「ごめんなさい」
誰に似たんだか、と溜息を着く黒尾の母を#れいか#は苦笑いする。
『じゃあお先に』
そう言い#れいか#は洗面所入っていく。それから入れ替えで入っていき、黒尾が次に入る。黒尾が入った後、#れいか#は洗面所の前で髪を乾かそうとするが、誰かの手によって止められる。
『……研磨?』
「……オレが乾かしていい?」
『いいけど……じゃあはい、どーぞ』
ドライアーを渡され、孤爪は緊張気味に#れいか#の髪を触る。髪をとかしながら丁寧にやっていく姿の孤爪を#れいか#は一瞥する。孤爪は#れいか#の髪に夢中になりながら時々鏡越しに#れいか#を見る。だが#れいか#は孤爪を見ておらず、下を向いていた。少しの寂しさを感じながら、孤爪はまたサラサラと先程の雪のように溶けていくような美しい髪に見惚れていた。
「#れいか#の髪、本当にサラサラで綺麗」
髪をとかし終わり、孤爪はまだ#れいか#に触れたいのか髪を櫛で梳かす。艶々で手に取れば水のようにサラサラと落ちていく。
『そう?ふふ、ありがとう』
今度こそ鏡越しに目が合えば、孤爪は顔を赤らめ再び髪に目を移す。
「おい、タオルは?」
後ろの風呂場から上半身だけ顔を覗かせた黒尾が言う。
『さっきクロが私がいるからって中に持っていったじゃん』
「あ。すっかり忘れてた」
そう言い黒尾はお風呂場の扉を締める。扉が開いた音がすれば中から黒尾が上半身にまでタオルを巻き付けながら出てくる。
「く、クロ……」
昔は下半身だけに巻いていたのだが、何故か今は上半身にまでタオルを巻き付けている。