【ハイキュー!!】排球人生死愛箱【ハッピーシュガーライフ】
第11章 私がこの世に産み落とされた日
蓋を開け、くるくると#れいか#の手首に付ける。甘い匂いだが強くなく、仄かに香る匂いに黒尾はゴクリと息を呑む。
「なんか……食べれそう」
そう言った黒尾の鼻を孤爪は掴んだ。
「はにふんあよだ」
「……クロが法を犯してたから」
「おかひへんのかよ」
少し抓りながら鼻から指を離す孤爪を黒尾は軽く睨みながら鼻を擦る。
暫くした後、黒尾の母親がご飯ができたと呼び、三人はリビングに降りる。
「あ、#れいか#ちゃん可愛い〜!シュシュ誕生日プレゼントで貰ったの?……あれ、なんかいい匂いもする」
『シュシュは研磨からです。香水は……』
「俺!」
「え、嘘ォ」
「マジだって!」
「アンタ女性物を一人で買いに行くなんてねぇ。去年まで母さんがいないと足も出なかったじゃん。センス無さすぎて」
「ちゃんと自分で調べたんだよ!」
成長したのね〜、と言いながら晩ご飯の用意をする黒尾の母親。因みになのだが、#れいか#の誕生日の晩ご飯も何故か他人の家なのに少し豪華で黒尾母が張り切っている。
数年前、何がいい?と聞けば、「黒尾のお母さんのご飯はどれも美味しいのでなんでもいいです」と褒めながら言い、黒尾母はいつからか娘のような、そんな気持ちで#れいか#と接しているのだ。それは黒尾父も変わりなくて、孤爪家の人達も変わらない。
今日はクリスマス・イブでもある。チキンにチシュー。クリスマスツリーも飾られていて、豪華だ。
「#れいか#と研磨はクリスマス何頼むんだ?」
「ゲーム……#れいか#は?」
『え?あー……あ、新しい服!』
「なんで最初の文字やけに伸ばしたんだよ」
『あはは……そう言うクロは何頼むの?』
「俺は新しいバレーボールのシューズ。小学生の時からずっとあれだったから最近布が剥がれるんだよ」
ふーん、と相槌を打ち、#れいか#はシチューを食べる。
「サンタがいないこと、#れいか#はいつ気付いたの?」
「わりと最近じゃね?俺は五年の時知った。意外と純粋だろ?俺」
「え……」
「その目ぇやめろ」
『うーん……小学三年生の頃とかかなぁ』