【ハイキュー!!】排球人生死愛箱【ハッピーシュガーライフ】
第11章 私がこの世に産み落とされた日
『お邪魔します』
「そこはただいま、だろ」
『お邪魔します』
「二回も言わんでよろしい」
クロが変な事言うから、と言いながら黒尾を睨む#れいか#だが黒尾には可愛いとしか思えないようで頭を撫でる。前からバタバタと音が聞こえたと思ったら、黒尾の母親がいた。
「おかえり、#れいか#ちゃん。てかお誕生日おめでとうね。今日はケーキあるから、後で鉄朗と食べてね〜」
『わぁ……!本当に、毎年ありがとうございます……ケーキ大好きです!今日もお世話になります』
先程のクロを軽く睨んでいた表情とは一転。綺麗に微笑む姿に黒尾も黒尾の母親も釘付けだ。
「そんな行儀良くて偉いねぇ。本当に。将来そんなの関係なしになるんだから気軽にしても大丈夫だよ〜。ほら鉄朗。あんたもさっさと手とか洗いなさいよ?」
「はいはい」
「"はい"は一回」
「分かったって!」
#れいか#は靴を脱ぎ丁寧に揃える。いつものように洗面所に向かい手を洗えば黒尾が入れ替わるようになる。赤いランドセルを持ちながら二階にあがり、ランドセルからプリント集の宿題を取り、筆箱からシンプルな鉛筆を持ち、止まることなく解答欄を埋めていく。
ドアが開いた音がすれば黒尾と孤爪が入ってきた。孤爪は先程着いたみたいだ。
「#れいか#、これ。改めて誕生日おめでとう」
「あ、俺も。はいどーぞ、誕生日おめでと〜」
『ありがとう、二人とも』
シンプルな包の中に入っていたのは、孤爪は可愛らしいピンク色のマカロンキーホルダーに可愛らしいデザインのシュシュ。黒尾はピンクのボトルに入った香水アトマイザーからは仄かな甘い香りがする。
『わ、凄い……』
そう呟き、#れいか#は孤爪に早速貰ったシュシュを使い始める。今はしていないが、稀にするサイドに団子を作るくまヘアーをする。左は腕についてあるゴムで纏め、右は孤爪から貰ったシュシュを付ける。
『ふふ、どーお?』
鏡を見ずに完璧にする#れいか#に孤爪は可愛いよ、と言い黒尾は鼻を押え親指を立てる。黒尾が部屋にある鏡を#れいか#に見せ、#れいか#は微笑む。#れいか#も気に入ったようだ。
「あ、香水は俺が付けるから」
黒尾は香水アトマイザーを手に持つ。持ち運びできる可愛らしいデザイン。男にしてはセンスがいい。