【ハイキュー!!】排球人生死愛箱【ハッピーシュガーライフ】
第11章 私がこの世に産み落とされた日
「松坂さん!お誕生日おめでとう!じ、実はこれ!誕生日プレゼント……受け取ってくれる?」
「#れいか#ちゃんっ!お誕生日おめでとう!これ誕生日プレゼントだよ!」
「松坂さん、君今日誕生日だよね?そ、その……これ、受け取ってくれないかな」
朝教室を開ければ、クラスメイトや他のクラスや学年の人達から誕生日を祝福する。
『……ありがとう!凄く嬉しいな』
満開の笑顔の後ろには花が咲いたように見える。相変わらず綺麗な微笑みに紅潮する人も多々。プレゼントを受け取り、一つ一つ丁寧にお礼を言っていく。
忖度などこの年頃の者達は無関係。ただ一心に祝っていく。彼女から見て民草に見えるのも無理はない。後ろから攻めてきては闖入する者が多く、#れいか#は眉を下げ困り果てた様子をしていた。
登攀しているようにも見え、#れいか#の机の上に沢山のプレゼントが溢れかえると、授業のチャイムが鳴り、皆惜しそうに帰っていく。
教室に入ってきた先生にも誕生日を祝われ、#れいか#は再び眉を下げながらお礼を言った。
放課後、それはもう彼女は身を潜めて慎重に学校を出た。申し訳ないと思っているのか分からないが、彼女の表情には喜怒哀楽が無かった。
そんな時、後ろから#れいか#を抱き締めた人がいた。
「#れいか#〜!お誕生日おめでとう〜!」
ちゅっと音を立て頬に口付けした黒尾。いつもよりスキンシップが激しいが、#れいか#は特に動揺せず振り返った。何故か自分のように嬉しく思う黒尾に#れいか#は微笑み素直にお礼を言う。
その後ろから、孤爪が遅れたようにやってきた。
「#れいか#……!誕生日おめでとう」
横からギュッと抱き締め、孤爪は言う。#れいか#は先程と同様にお礼を言った。
『二人ともありがとう……。でもあれ?今日部活は?』
「もう明日から冬休みだからねーの。取り敢えず今日はこのまま泊まっていって?」
「じゃあオレ、準備して行くよ」
「了解〜。あ、でも今年#れいか#の叔母はどうすんの?今年も一緒に祝わねーの?」
『ううん、朝祝ってくれたよ。何回も言ってるでしょ?叔母さんは仕事で忙しいの』
「まーそうかもだけどさぁ〜」