【ハイキュー!!】排球人生死愛箱【ハッピーシュガーライフ】
第8章 孤爪研磨くん、誕生日おめでとう
ニコニコと微笑みながら言う#れいか#の表情からは眠たいという面影は感じられない。だが孤爪と黒尾は素直に頷く。
「あっ、そうだ!今日の金曜日スペシャル"海賊団サシル"じゃん!忘れてたあ〜!」
黒尾が急いでテレビにあるリモコンを操作しテレビをつける。丁度9時に始まり、黒尾はホッと息を付く。孤爪は対して興味が無いのか、#れいか#を後ろから抱き締めて肩に首を置き始めた。
黒尾の両親は先程10時に家を出て、孤爪の両親も先程11時に二階の寝室にあがり、今では部屋を暗くした状態で黒尾と孤爪と#れいか#はテレビを見つめる。
黒尾は先程からホラーシーンにビクビクとしているのか、#れいか#の腕に捕まり、規則正しく寝息を繰り返す孤爪は既に#れいか#の膝で眠っている。黒いサラサラとした髪を撫でながら、#れいか#はテレビを見ていた。
[いつからいたって……?……ずぅっと側にいたさぁ、後ろでなああ!!!!]
「ぎゃああ──…むぐっ」
ホラー展開満載の中黒尾はビビり散らかし叫ぼうとするところ、#れいか#に口を塞がれる。ガッチリと掴まれていて、画面の向こう側より現実で痛い目にあっている黒尾はハッとした表情で#れいか#を見る。
『もうっ!研磨寝てるんだから静かにしてっ!』
黒尾の口から手を離しながら、焦ったように小声でプンプンと効果音がついて見えるような#れいか#に黒尾は思考を停止させる。
「……なんだ、天使か」
『煩い。眠たいんでしょ』
いつもと変わらない言葉を放つ黒尾をジトリと見つめながら、#れいか#は溜息を付く。
『もう終わるでしょ?これ。研磨運ぶの手伝って』
「はぁ……たっく……研磨の部屋で何か見れば良かったんだけどなぁ。こいつ意外と重いの」
『そんなの知ってる。クロがいない時運んだ事あるし』
「あー……はは、でも#れいか#力強いじゃねぇか」
『他の人と比べればね。まぁクロには負けるけど』
「当たり前だろ。嫁守って何度も惚れ直すのが夫ってものよ」
『まぁ夫じゃないけど』
「はは、おもしれーこと言うな」
『頭湧いてんのか』
テレビを見ている間、交換しながら入っていったお風呂。歯磨きはしていないので、#れいか#は膝に寝転がっている孤爪を起こす。