【ハイキュー!!】排球人生死愛箱【ハッピーシュガーライフ】
第8章 孤爪研磨くん、誕生日おめでとう
『何言ってんの。研磨見たいに分かりやすいから言ってるんだよ?』
「自意識過剰……」
「おいこら研磨!聞こえてるぞ!」
いつまでたっても仲は良く、黒尾と孤爪の些細な喧嘩は稀にある事はあるが、大事になることはない。些細な喧嘩も、#れいか#がいれば何でも解決した。
「#れいか#、今日は泊まっていくよね」
孤爪は#れいか#の服の袖を引っ張りながら言う。チューリップ柄の華やかな女の子らしいピンクのワンピースに、真っ白な足が動くたびに視線を刺激して、ふわふわと流れるような茶色い髪の毛先はくるくると巻かれている。首を傾げば髪は肩から流れ落ち、空を遊んでいるかのようにふわふわと上下に揺れる。
小学六年生という実年齢に対して容姿は大人っぽく、美しい人形ドールが座っているように二人は思えた。
「俺も泊まるんだよ。久々に三人で寝よ?」
『うーん……クロ最近変態だしなぁ。夜中寝ずに私の顔と髪イジってるのバレてるからね』
「えぇっ?!」
「……クロ、いい加減にしなよ」
バレてる⁉と肩を上げる黒尾の前には孤爪が殺意を含めた瞳で無言で黒尾を責め立てる。
黒尾が冷や汗をかき、弁解の言葉を連連と述べる中、孤爪はじっと黒尾を睨み付ける。
『……ま、研磨がいてくれるし、久しぶりだから泊まっていこうかな』
そう言えば、話を聞いていたか孤爪母や孤爪父は親指を立て、嬉しそうに大丈夫だよ!と言う。
#れいか#は微笑んで、お礼を言いながら頭を軽く下げる。孤爪は頼りにされたのが嬉しいのか頬を火照らせる。
「明日は休みだし、なんか怖い話聞いたりする?……あ!バレーとか!」
『あぁ、バレーね。四時間も見たことあるもの、別に良いけど。研磨は?』
「別にどっちでも。……怖い話は夏にするものじゃないの?なんで今」
孤爪は怖いのが苦手なのか、少し体を縮め、#れいか#の腕に絡めば、自分の体もピタリとくっつける。
「ま、研磨はいつも最初に寝てるしな」
「だって眠たい……」
『いつも眠そうだしね。…でもクロは大体怖がってるじゃん』
「いや、それは#れいか#の話が怖いだけだって」
「……聞きたくない」
身震いをしながら自分の肩を抱く黒尾と、眉を潜める孤爪。#れいか#は面白そうに声を上げて笑う。
『まぁ、私今日いつもより眠たいの。夜更かしするのは良いけど、もしかしたら先に寝ちゃうかも』
