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【ハイキュー!!】排球人生死愛箱【ハッピーシュガーライフ】

第6章 儚く散った花火が君に酷似していたから


そんな黒尾に#れいか#は素直にありがとうと言うと、黒尾は赤くなりながらも歯を見せながら恥ずかしそうに微笑んだ。
『そんなんじゃないよ。……今何時?』

両手が塞いでいる#れいか#は二人に声を掛ける。
孤爪は片手にある腕時計を見て、6時50分と答えた。

『花火まではまだまだ、か……何かすることある?』
「別にねぇかも。……あと、今年も可愛いな、俺の嫁」
『嫁じゃない』
「いいジョークと悪いジョークがあるって知ってるか?」
『クロが言うな』

この数年、随分と二人の対応は変わったのである。
中学に入り、黒尾は徐々に態度を表すように、変態になってきているのだ。
そんなクロを孤爪と#れいか#は冷めた目で見ているのだが、黒尾は全くそんなことは関係ないらしく、「俺の嫁」等とほざいている。
中学生になると、何かと会えない日が多くなるのだ。
黒尾と孤爪は、小学生の時よりより積極的に#れいか#を家に呼び泊まらせることが多い。黒尾と弧爪はバレー部に入ったみたいで、最近は土日も部活で埋まっている。
二人共、#れいか#に会いたいと何度も頭の片隅に考え、集中できないことも多々ある。そんな時、#れいか#がくれたのはあるお守り。
何処で買ったのかは知らないが、そのお守りを見ていると自然と力が湧いて、#れいか#からの貰い物、ということもあり何かと勇気づけられている二人。

「#れいか#、浴衣姿綺麗だね」

孤爪が#れいか#と目を合わして言う。ドキドキと、いつも以上に心臓がなる。浴衣姿になると必ず香る金木犀の香り。優しく全てを纏い魅了していく儚く美しい姿。先程のように黒尾は表面上に出すが、孤爪も例外ではない。
何度も自分の浴衣を確認しては汚れていないやら変な言葉を使わないようにと気を使うほどではないが注意を払っている。好きな人の前になると緊張になるのは誰もがあり得ること。
顔が赤いことは自覚しているけれど、包み隠さずに思ったことを言うのが二人だ。

『ふふ、本当?ありがとう。研磨もクロも、今年もカッコいいよ』

そんな言葉に、二人は自然と手をギュッと握ってしまう。
嬉しくて堪らなくて、好きっていう気持ちが抑えられそうになくなってしまう。

「そ、そうか?ほ、惚れた?」
『あはは、面白いねクロ』
「心が痛い」
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