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【ハイキュー!!】排球人生死愛箱【ハッピーシュガーライフ】

第6章 儚く散った花火が君に酷似していたから


「クロ、ここ人多くない……?」

暑い夏。現在中学生の黒尾と孤爪は6時30分前に黒尾と孤爪はとある場所で待ち合わせをしていた。
男物の着物を着こなし、周りをキョロキョロとは見渡す黒尾に孤爪は声を掛ける。

「まぁ……思った以上にな。つーか研磨、俺変じゃない?大丈夫?」

待ち合わせ前の女のように、何度と孤爪に姿の確認を取る黒尾に溜息を付き、大丈夫だよ、と安堵の言葉を掛ける。

「はぁ~……毎年#れいか#の浴衣姿可愛過ぎて直視できない時あるから本当に緊張する……あ゛~……可愛すぎるんだよ俺の嫁……」
「嫁じゃないでしょ……」
「いや正真正銘嫁ですから」
「違うし……」
「本気だし」

軽い言い合いになった時、周りがザワザワと騒がしくなった。
これに気付いた黒尾と弧爪はお互い目を合わせ、騒がしい方へ向かう。
前から自然と道を開けている人と目を合わし、彼女は見つけた、と微笑んだ。

「「──…!」」

彼女の姿を目に写した黒尾と孤爪は目を見開く。
青の矢車菊柄の着物に眼が赤い下駄。丸い小さなかご巾着にふわふわとした髪は後ろに編み込みで一つにくくられていて、少しほぐされてあるのが肝所。
薄く唇に引かれてある赤の唇は一層雰囲気を引き立てる。
周りがキラキラと光っているようで、一つ一つ品やかな行動が全てを惹き込む。この姿は小学六年生ではない。そんな面影は感じられず、大人らしい可憐さがあるこの少女。彼女の年齢を知るのは黒尾と弧爪だけ。
立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花。
今の彼女にはピッタリの言葉だった。
周りが彼女だけに釘付けになっているのが分かる。それは黒尾も孤爪も同類だった。

#れいか#はそんな様子の二人の手を引き、人気のないところまで歩く。

『ごめんね~遅れちゃって』

そんな対して申し訳なさそうでもない声に二人はハッと我に返る。
空は少し暗くなっていて、黒尾と孤爪は顔を赤くしながら#れいか#に話しかける。

「いいって、どうせナンパされてたんだろ?んなの日常茶飯時じゃあねーか」
「だから人多いって言ったのに……」

小学生の頃より伸びた二人の黒尾と孤爪は、#れいか#の手をギュッと繋ぐ。
その間に黒尾は#れいか#の荷物を手に取り空いている手で持つ。
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