【ハイキュー!!】排球人生死愛箱【ハッピーシュガーライフ】
第3章 僕を選んでくれると愚かな期待を抱いたことを許して
優しく微笑む#れいか#に、孤爪の母は目が熱くなるのを感じた。こんな純粋で優しい子に、親という存在がいないだなんて、どんなに辛いことだろうか。叔母も仕事で忙しいと、甘えることもできない。そんな#れいか#に、孤爪母は頭を優しく撫で、いつでも泊まってきてね。と目を抑えて言った。
その後は、孤爪両親達と一緒にご飯を食べ、お風呂に入れてもらい、孤爪の服を着させてもらいい、髪を乾かし、少しの間、孤爪と一緒にソファーに座ってテレビを見る。
ゆっくりと#れいか#の肩に頭を乗せて甘える弧爪の姿は、珍しくもなんにもなかった。
孤爪は眠たくなってきたと言い、#れいか#と一緒に歯を磨けば、両親に挨拶をして孤爪の部屋に入り、同じベットで寝る。
これは孤爪の家に泊まりに来たときも、黒尾の家に泊まったときも同じだ。#れいか#は別々の方がいいんじゃない、と言っていたが、二人共#れいか#と一緒に寝たい、と言うので、これはほぼ恒例のようだった。
#れいか#は孤爪と一緒のベットに入り、いつの間に二つになっている枕の元で目を閉じるが、孤爪は横からお腹に腕を回してギュッと#れいか#を抱き締める。ふわふわと心地良い#れいか#の優しい匂いと自分と同じ家のシャンプーの香りがすることに密かに喜んだ。
だがこれも毎回同じことだ。さほど気にしないで寝ようとしたところ、孤爪が#れいか#、と呼ぶ。
『なに?』
「#れいか#は、悲しくないの?」
『……何が?』
「……親が、いないこと」
ギュッと#れいか#を抱き締めながら、真っ暗な暗闇の中#れいか#を見つめる。#れいか#はこちらを見ている孤爪とは目を合わさず天井を見ながら小さく口を開いた。
『別に、悲しくなんてないよ』
「じゃあこのままでいいの?」
『このままって、どういうこと?』
「#れいか#、たまに寂しそうな目してるよ」
『ぇ‥?』
その時、#れいか#は隣にいる孤爪の方を向く。
「よく分かんない……けど、寂しそうな目」
『……そう、かな』
少しだけ目を合わしてまた天井を見た#れいか#。それに対し孤爪は、バッと口を開いた。