第4章 Ever green!③
レッドはアイコンタクトをリーフちゃんに送ると、光るバディーストーンをリザードンに向かいかざした。
瞬時にリザードンの身体が光に包まれ、青白い炎を纏った漆黒のメガリザードンXが光の中から現れる。
「すごい…!」
その神々しさに、バトル中だというのに思わず息を呑む。
「…ブラストバーン!」
レッドの指示に従い、メガリザードンXは、上空に巨大な火柱を生み出した。
「まずい!あれは避けられねぇ!」
グリーンが、焦りの表情で叫ぶ。
「どうしよう!?」
「ダメージを最小限に抑えることに集中しろ!」
メガカメックスは頑丈な甲羅にその身を隠す。
「サンダース!穴を掘って地中に避難して!」
サンダースは、フシギバナのツタが生えて崩れた地面をうまく利用し、間一髪のタイミングで地表から姿を消した。
「グガァァァ!!」
ひと声吼えたリザードンが、身体の周りを覆っていた炎をこちらに向かい放出した。
バディーストーンで威力を増したブラストバーンは、あたり一面を火の海に変えてゆく。
激しい熱気に、全身が燃えるように熱い。
「すげぇ!なんて迫力だ!」
「さすがカントー最強トリオ!」
3匹のポケモンが、一斉にメガシンカする光景を目の当たりにした観客達は、悲鳴じみた歓声を上げて狂ったように盛り上がる。
「バケモンみたいな火力出しやがって!前に手合わせした時より格段に強くなってやがる!」
「私たちも猛特訓したんだから!ねっ、レッド」
「…うん!」
息つく暇もない激しい戦いの最中でも、3人の目は輝き、心からバトルを楽しんでいた。