第14章 メイ探偵とゴースト
「そういえば」と、グラジオくんが手を動かしながら話題を変える。
「オマエのチーム、本戦にいるよな?」
「うん、グラジオくんも家族で出てるよね?密かにファンだったんだ」
「オレもオマエたちをマークしてた」
第2回WPMは前回よりも参加者が多く、本戦出場チームも増えていて、決勝トーナメントの8チームに絞り込むまでまだまだ時間がかかりそうだ。
数あるチームの中でも、ルザミーネ一家は強烈な存在感を放っていた。家族一丸となった鮮やかな連携、魅せる戦術、そしてその見目麗しい3人の容姿に心を奪われた人は私だけではないだろう。
「グラジオくんのチームとは、いつか戦いたい、挑戦したいって思ってた」
「オレもさ」
「ほんと?」
「ああ、どんな因果で組んだのかは知らないが、オマエのチームはおもしろい」
「でしょ!自分でも仲間に恵まれたなぁって思ってる」
毎試合、シルバーくんとNについて行くのがやっとだけど、卑屈にならないのは、ふたりが私を仲間として対等に扱ってくれるからだ。
改めて、いいチームメイトを持ったなぁとしみじみする。
「あいつらは元々知り合いなのか?」
「ううん、パシオで初めて会った」
そう答えた瞬間、グラジオくんの手が止まる。翡翠色の瞳が、心の中を見透かすようにじっと見つめてきた。
「どうしたの?」
「フッ…オレの観察眼もまだまだだな」
「と言うと?」
「オレは、オマエとシルバーが恋人なのかと思ってた」