第12章 ※熱帯夜
うまくできなかったらどうしよう。そんでもって歯が当たって血が出ちゃったりしたらどうしよう。
「やっぱ抵抗あるか?」
「ううん、うまくできるかなって」
「嫌だったら無理すんな」
「だいじょぶ」
恐る恐る顔を近づけ、そっと先にキスをする。少ししょっぱくて、男の人も感じると、射精以外に体液が出るんだと初めて知る。ドキドキしながらゆっくりと唇を開け、歯を立てないように気をつけながら咥え込んだ。
「手と同じようにできるか?」
「…ん」
ゆっくりと顔を前後に揺らし、少しずつ喉の奥へと飲み込んでゆく。口をいっぱい開きっぱなしで顎が痛い。苦しさに眉を寄せながら往復を繰り返す。
「……くッ」
グリーンは固く目を閉じ、口の端から息を漏らしている。
(痛がってないよね?気持ちいいんだよね…?)
見上げながら反応を確かめていると、グリーンが薄く目を開けた。視線が交わり、フッと笑みをこぼす。
「上手だよ、ナナ…」
優しい声で私を甘やかす。指先で耳たぶをくすぐりながら、頭をそっと撫でてくる。
もっと気持ちよくなってほしくて、苦しいのを堪えて口の愛撫を続ける。
唇が引っかかると、グリーンが微かにうめいた。やっぱり、ここが好きなんだ。