第12章 ※熱帯夜
「やめてっ、ひぐ、うぅ…や、だっ…あぁんっ」
縛った腕を頭の上で押さえつけながら、奥を抉るように腰を打ち付けると、ナナの瞳からポロポロと雫がこぼれては頬を伝う。
何度抱いても満たされない。むしろ肌を重ねるたびに渇いて、飢えて。
こうして繋がってる時ですら、どろりとした感情が思考を塗りつぶす。
まるで熱病だ。
欲望がまとわりついて理性はもうがんじがらめ。衝動のままに腰を打ち付ける。
ナナはまるで子供のようにしゃくりあげて肩を震わせている。
両脚を肩にかけて深く責め立てる。
「ん…くるし、ぃ…ッ」
深く、熱く、欲を刺す。一方的で独りよがりな行為。
ナナのこの姿を誰にも知られたくない。見せたくない。渡したくない。オレのものだって確かめたいんだ。たまにはそんな浅はかな理由で抱いたっていいだろ?
甘ったるい鳴き声が耳にまとわりついて更にオレを駆り立てる。支配してるつもりが、されてるのはオレの方か?声に導かれるまま一心不乱にナナを貪る。
限界まで昇り詰めたところで最奥に欲をねじ込む。奥で膨張してから、熱を一気に放出した。
——脈打ち、真っ白になる意識。
鼓動が混ざり合って、全身の細胞も溶けてひとつになったような奇妙な感覚に襲われる。
重い頭を上げてナナの頬にキスを落とせば、濡れたまつげが微かに震えた。
「まだ…たりない…」
必死すぎ。ダサいな、オレ。
「したい…ナナ」
まどろみの中にいるナナを再び突き動かした。
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