第12章 ※熱帯夜
「軽くイったろ?今…」
浴衣の下に手をそっと侵入させ、太腿を撫でる。下着の上から線を引くように撫でると、内側から湿っているのがわかった。
触れられるのがよほど恥ずかしいのか、また目を潤ませている。
そのまま下着の隙間から指を滑り込ませる。熱くとろけて、何もしなくても指が呑み込まれてしまいそうだ。
愛液を指で掬って、敏感な芽と入り口は避けながら周りをそっと撫でるように円を描く。
ナナは物足りなさそうにオレを見つめてくる。瞳をじっとりと縫い付けながら、唇を甘く重ねると、珍しくナナから唇を開いた。
キスする時はいつも目を閉じているのに、うっすらとオレを見つめながら、唇を柔らかく啄んでくる。
無自覚なのかワザとなのかわからないが、ナナはねだるように腰をゆっくりと揺らし、指が陰核の先に触れると、色っぽい吐息を口の端からこぼした。
理性と本能の駆け引き。まるでゲームだ。
指でしてほしくてたまらない、でも恥ずかしくて自分からは言えない。
ナナの願望が手に取るようにわかる。だけどすぐには与えない。
泣き虫なナナは、今にもこぼれ落ちそうなほど目に涙を溜めて、掠れた声で呟いた。
「…ね、どうして…?今日のぐりーん、いじわる…」
「どうしてだと思う?」
「私が…心配させたから?」
「あとは?」
聞きながら指で入り口をソフトにつつけば、くちゅりと愛液が卑猥な音を立てる。入り口を優しく撫でて、散々期待させながらそっと指を離した。
「ほら、あとは?」
「…っ、ちゃんと、連絡しなかった…」
「…反省してるか?」
「してる…してるから…」
耳まで赤くなりながら、ナナは恐る恐る自分からキスを再開する。
「ごめんなさい…」
不器用な舌づかいを絡めとるように強引にオレから口づける。角度を何度も変えながら激しくキスをすれば、ナナはくぐもった声を上げた。