第10章 親子のカタチ
アポロの一声で、ロケット団の幹部であるアテナ、ランス、ラムダが現れ、幹部4人が勢揃いする。
「サンダースはいいとして…ルギアにスイクン、セレビィ…、伝説のポケモンのバーゲンセールね」
アテナが顎に手を添えながら、ヒビキたちのポケモンをジロジロと舐めるように見る。
「う、うちの子だって、伝説級に強いんですから……たぶん!」
「なら試してみましょう!」
口火を切ったのはアポロだった。アポロがヘルガーを出すと、アテナもすかさずアーボックを呼び出す。
「ナナ!一緒に戦おう!」
「うん!」
ヒビキたちはそのままアポロ、アテナと戦闘を開始した。ヒビキのルギアはサンダースを護るように前に出て大きく咆哮する。
戦闘が始まり、したっぱ共の怒号が飛び交う中、ヘラヘラした笑みを浮かべながらラムダが前に出てきた。
「ぐわぁーっはっはー!飛んで火に入る夏のモルフォン!伝説のポケモンはまとめてオレらロケット団がいただくぜ!」
「そんなことさせるもんですか!」
「わたしたちに楯突いたこと、このランスが後悔させてやります」
「それなら、このコトネがあなたたちをやっつけます!ってね!」
クリスとコトネも、ランス、ラムダと戦い始めた。スイクンとセレビィの連携は抜群だ。恐らくすぐに決着はつくだろう。
みんな、オヤジに負けた無様なオレを見ても、助けに来たとは一言も言わずに、負けたオレを慰めるでもなく、それぞれの信念に従って戦っている。
「ありがとう」なんて直接は伝えられないが。
もし——仮に、オレに“友達”というものがいるとするならば、お前たちがそういう存在なのかもな。