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【ポケモン】パシオで恋して

第8章 でこぼこトリオ結成


初めて乗せてもらった伝説のポケモン。悠然と翼を広げたその姿は神々しく、まるで燃え上がる陽のようだ。見る角度で紫や青へと移ろう虹色の羽は、近くで見るほど鮮やかで、息を呑むほど美しい…!

って、ホウオウに見惚れている場合ではない。気を抜いて落ちたら大変だ。

グリーンなら幼馴染だし触るのも拒絶されなかったけど、ど、どこに掴まれば……!?

抱きつくわけにもいかないし、髪の毛を引っ張ったら怒るだろうか——怒るに決まってる。

最善の策として、シルバーくんの服の裾をちょんと指でつまんでみる。

……だめだ。まるでバランスが取れない。

「腰に掴まってろ。落ちたら助けた意味がなくなる」

救いの一言が耳に届いた。

「ごめん、今だけ掴まらせてね」

そっとシルバーくんの腰に腕を回して安堵の息を漏らす。

「おい、掴まれとは言ったがくっつけとは言ってない!」

「この状況でどうしろと!?」

でも確かに密着してしまっていたので、落ちない程度に身体を離す。シルバーくんの文句が止まったので、一応は許容範囲らしかった。

ホウオウの飛行はとても優雅で、このスピードなら高所でもなんとか耐えられそうだ。気持ちを落ち着かせ、次にトゲピーを保護するために、何をすべきか考える。

切り立った崖が視界に入った瞬間、閃きが走った。

「シルバーくん!あそこの崖なら、距離があってもギリギリサンダースの攻撃が届きそう!」

「わかった。崖で降ろすから攻撃は任せた。オレはホウオウで空中から近づいて、タイミングを見てボールを投げる」

風が舞うような優雅な軌跡を描き、崖の上へとそっと降ろされる。足下を見やると、自分で言っておきながら思わず足がすくんだ。緊張で息を呑む。

「しくじるなよ」

「がんばる……って、それはお互い様!」

トゲピーを助けたいなら、この高さに怯えている場合ではない。意を決し、サンダースをボールから出して攻撃の指示を出す。

けれど、遠距離からの攻撃は思うようにはいかず、電撃はことごとく外れてしまった。動かない的に当てるのとはわけが違う。不規則にころがり回るトゲピーを遠くから狙うのは、まさに至難の業だった。


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