第8章 でこぼこトリオ結成
調査を兼ねて山道を進んでみたものの、周囲からは野生、もしくは野良ポケモンの気配は感じられず、時間だけが過ぎていき、結局これといった手がかりは得られなかった。
グリーンの予定が空いているのは夕方まで。限られた時間を無駄にしないためにも、まずはトレーニングを優先し、調査の続きはその後に回すことになった。
「よし!チームの連携を鍛えるために2対2でいくぜ!大会エントリー予定のバディで来い!」
私はサンダース、シルバーくんはホウオウ、対するグリーンはカメックスとプテラ。2匹ともそこにいるだけですごい迫力だ。何度手合わせしていても、毎回グリーンのポケモンの威圧感には圧倒される。
「オレは相性的にキツイな」
「その通り。いかにシルバーがナナをサポートできるかが鍵になる」
「オレがサポート?笑わせんな。いくぞホウオウ!」
「え!?じ、じゃあサンダースも!」
突然勝負が始まり、慌ててサンダースとのコンビネーションを頭の中で練る。
「いいねぇその感じ!楽しめそうだぜ!」
グリーンが素早くカメックスに指示を出し、カメックスは甲羅から飛び出したキャノンをホウオウに向ける。上空では、プテラがこちらの様子を伺いながら地上を睨みつけている。
「サンダース!カメックスの攻撃を止めて!」
サンダースが電撃を放ち、カメックスのハイドロカノンは不発に終わったものの…。
「おい!ホウオウの前にサンダースを立たせるな!」
「でもハイドロカノンが…!」
「プテラもいるんだぞ!」
「もうおせぇよっ!」
と、グリーンが言ったタイミングで、プテラにより2匹に向かっていわなだれが繰り出された。山の地形はサンダースにとっては足場が悪く、ホウオウは木々で視界が悪い。2匹とも避け切れずにいわなだれが直撃し、ひるんだ隙にカメックスのトドメの一撃。
勝負はあっけなく終わった。