第3章 私の大切な継子の話
□雨の夜と不思議な少女
雨が降ると、は私の寝室に訪れる。
「…悲鳴嶼さん…あの。」
「、早く入って戸を閉めなさい。
何時までそこにいるつもりだ。」
戸を開いて申し訳なさそうに立ち尽くすに声をかけてやると猫のように膝の上に座った。
「…雨が酷いな。猫はしっかり隠れただろうか?」
「いつも通り、縁側の下で寝てましたよ。」
「…お前の髪は、猫のように柔らかい。」
「…コレ、湿気が多いと大変なんですよ。」
指通りの良い柔らかな髪を撫でながら、
と出会った雨の夜の事を思い出した。