第50章 お慕い申し上げておりました

「大体、キミの下にはどれだけの人が立っていたと思ってるの。それを忘れて、さっきの暴走は許されないから。和泉三月が上手くまとめてくれから事なきを得たようなものだよ。彼にはよく感謝することだね」

「OH…お説教はパスしたいです。せっかくのシチューがマズくなります」


私達は、このような朗らかな空気の中、食事を始めようとしていた。


「なぁ。あんた、TRIGGERのプロデューサーだろ？空気クラッシャーの九条様、なんとかしてくれよ」

『え？どうしてです？うちの天が何か間違った事を言っているとでも？』

「お前さんは！ほんっとTRIGGERが好きだよなぁ！」腹立つ！


大和は、もう飲み始めている缶ビールをテーブルに打ち付けた。

台所から、三月がこちらに問い掛ける。


「おーい。パンかご飯、どっちにするー？」


皆が、思い思いに希望を伝える中、私はご飯をチョイスした。

私は当たり前のように、貰ったご飯をクリームシチューの中に投入する。すると全員がその様子に注目した。


「ちょっと。何やってるの、行儀悪いよ」

『え？天はやりません？クリームライス』

「やらない」


どうしてカレーライスが良くて、クリームライスが駄目なのか分からない。
天の一刀両断を見ていた陸が言う。


「あ！そういえば、環もそれやってるよね！それで、シチューとご飯をぐっちゃぐちゃにして食べてるんだ」

「七瀬さん。ぐっちゃぐちゃとか言わないで下さい。食欲がなくなる」


何にせよ、クリームシチューが美味しい季節になったものだ。