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もしもハリポタの女主人公がツイステの世界に来たら

第8章 上昇アテンション


 医務室に着くと、校医不在の看板がかかってたので、これ幸いとは医務室のベッドに横たわった。
 正直、授業をサボっているという罪悪感は一切無い。あるのは訓練を免れた安心感と、今度から飛行訓練の授業をどうサボろうかという邪な考えだけだった。

「流石に何度も医務室は使えないからなあ」
「へぇ……珍しいニオイがすると思ったら――」

 この声はっ――!!
 が嫌な予感とともに、一瞬の隙を突いてレオナがベッドのカーテンをめくって登場した。
 マジフト大会での不正事件で係わって以来、はレオナに苦手意識を持っていた。王族だか何だか知らないが、当たり前のように偉そうな態度がとにかく好きになれない。

「レオナ……先輩」
「よお監督生。何が“何度も医務室は使えない”んだ?」

 レオナの目が、獲物を見つけた獣の様に光っていた。そう、その目が嫌いなんだ、その目が。
 ハリーが「スネイプが僕を見る目が殺気に満ちてる」とよく言っていたが、こういう感じだったのではないだろうかと思ってしまう。
 だが、ここで負けっぱなしで終わるではない。サッとベッドから立ち上がると、口の端をにやりと曲げてレオナにこう言った。

「いやあ、別に?授業をサボろうとしてたんですけど、どっかの誰かさんみたいに留年しちゃうから“何度も医務室は使えない”ってぼやいてただけですよ」
「テメェ……草食動物の癖にオレに喧嘩売ってんのか?」
「買ってくれるんですか?王族なんだから高値でお願いしますよ、レオナ先輩?」
「レオナさーん、ここっすかー?」

 正に一触即発の空気が漂う中、それをぶち壊したのは忠犬――ならぬ忠ハイエナのラギーだった。
 本人曰く別にレオナに忠義を尽くしているわけではないらしいが、何から何までよく気を回している辺り、結局忠ハイエナに変わりは無いのではないかとは思っていた。

「チッ、ラギーか」
「まったくレオナさん、留年してオレと同じ学年になりたくなかったら真面目に授業出てください」
「うるせえ、揃いも揃って人の顔見れば『留年』って言うんじゃねえ!」

 なんだかんだでラギーには弱いレオナを知っているので、ここはコイツに任せようとどさくさに紛れて医務室を出た。
 そのすれ違いざま、レオナに向かって「留年おじたん」と囁くのも忘れなかった。
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