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もしもハリポタの女主人公がツイステの世界に来たら

第6章 屈折プロポーズ


 学園長に言われたとおり、ゴーストたちが勝手に飾り付けした大食堂を元通りに片付け、ついでに厨房からお菓子やジュースを拝借すると、今回被害にあった1年生一同は揃ってオンボロ寮に集まった。
 その目的はズバリ――

「よーし、それじゃあエースの『愛の大告白』鑑賞会を始めるぞー!」
「っしゃーー!!」
「待ってましたー!」

 オルトが密かに撮影していたエースの告白動画をネタに、皆で盛り上がろうという企画だった。
 ついでに言うと、現在時刻は午前2時。全員今回のゴーストマリッジ騒動でかなり疲れている筈なのに、疲れも眠気も全部吹っ飛んで、全員ナチュラルハイになっている。……そう、ただ1人を除いて。

「待ってましたー!……じゃねえよ、マジでやめろよな!!」

 当の本人であるエースだけは必死に鑑賞会に抗議していたが、その前に散々みんなの告白を馬鹿にしてしまった所為で、全員から恨みを買っていた。だからこれは些細な復讐でもあったりする。
 ちなみに告白とは無関係のオルトとは、単純な愉快犯だ。オルトが撮影した動画の準備をしている間、はニヤニヤ笑いながらエースの肩を叩いた。

「観念しろエース、あまり喚くと折角のシーンが台無しだぞ?」
「1つだけ言っとくけど!これは絶っっ対に俺の本心じゃないからな!!そこだけは間違えるなよ!!」
「分かった分かった。オルト、準備は良いかー?」
「バッチリだよ!」
「それじゃあスタート!」

 動画の再生が始ると、エースは耳を塞いで画面に背を向けた。他の皆はオンボロ寮の談話室で、ソファーやクッションの上に好き勝手に座りながら、先ほど厨房から拝借したジュースやお菓子を片手にくつろいでいる。

「お、出てきたんだゾ」

 動画は丁度エースが結婚式会場である、大食堂に入ってきたところから始った。
 必死に息を切らし、折角ルーク先輩にセットしてもらった髪も、若干乱れている。だが寧ろそれが一生懸命さが出ていてカッコ良かった。

「エースクン、カッコイイね」
「あ゛ー、うっせー!観るなら早く観て終わらせろ!!」

 耳まで真っ赤にしながらエースが叫んだ。
 画面の中のエースは、花束片手に必死に護衛のゴーストたちと戦い、更に無理やりイデア先輩にキスしようとしているお姫様に向かって、止めるよう説得している。
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