【R-18】バリケードの内側で【ウーユリーフの処方箋】
第2章 初めての…【ミト&ノゾミ】
「メイちゃん、紅茶飲む?」
「飲む飲む!ありがとう。」
ある日の昼のこと。
キリオは仕事、マツリとカナタは調査に行ってしまい、昨日調査に行った私とミト、ノゾミは今日はお休みということで各々のんびり過ごしていたが、おやつの時間にミトからお誘いを受けて3人でティータイムにすることにした。
ミトが入れてくれる紅茶、すごくおいしいから大好き。
「ごめん!お待たせ!」
「大丈夫ですよ。メイさん、お疲れ様です」
「ノゾミもお疲れ様」
トレーラーハウスから出ると既に二人は席についていて、紅茶も注いであって準備万端だった。
待たせてしまったかと私も慌てて席につくと、ティーカップから華やかな香りがふわりと立ち昇ってきた。
ああ、癒される。
いただきますを言ってから紅茶を口に含む。
…なんだかいつもより美味しい。疲れてたからかな?
「ミト、今日の紅茶すごく美味しい!」
思わず声を弾ませると、ミトは言葉の代わりに微笑みを返してくれた。
ミトは無口だけど不愛想なわけじゃなくて、どちらかというとほわほわとした空気をまとっている。
静かなのにそこにいるだけで場が和むから、ありがたい存在だ。
「メイさん、この後の予定は?」
唐突にノゾミが聞いてくる。
「特にないかな、やらなきゃいけないことは終わったし」
「でしたら、後で俺のトレーラーハウスに来ていただけませんか」
「いいけど、どうしたの?」
「ちょっと相談がありまして」
「…?わかった」
ノゾミが私に相談事をするなんて珍しい。
よっぽど大事なことなのだろうか。
それとも、やっぱり私を追い出したいとか…
私が勝手に不安を膨らませていると
「大丈夫ですか?忙しいならやっぱり後日にしましょうか」
とノゾミが心配そうな顔を向けてくるので、何でもないよ大丈夫!と残りの紅茶を飲み切った。