第1章 あほの坂田(となりの坂田)
私は、今、この仕事に誇りを持っている。家政婦の仕事も、坂田さんと過ごす夜のお勤めも、どちらも大切な時間だ。
この仕事に出会えて、本当に良かった。そう、今なら胸を張って言える。
「とりあえず、後々のキャンセル分を今、責任を持って果たしてもらわんとな!」
突然、張り切って何を言い出すのか?と顔を上げて坂田さんを見つめれば、ドヤ顔の彼と視線があった。
「せやから!2回目のえっち。しようや!」
…結局、なんだかんだ理由つけてもう一回したいだけなのではないか?
「…えっ?だめなん?なぁ、だめぇ?あれぇ?ダメな感じ?これって…無理なパターン?ねぇ?ねぇねぇ!ねぇ?」
「……もぉ!しつこッ!?ぅわあ!」
突然立ちだした彼に抱えられて、坂田さんは強引に移動をはじめた。寝室前の扉まで来て少しだけ意地の悪い笑顔で彼は私に言うのだ。
「まぁ、駄目っていわれてもしますけどね」
あひゃひゃッと独特な笑いが耳をかすめる。これから、強引な彼によってやりたい放題に抱かれるさまを想像すれば。むせ返るような甘ったるい空気にふれて自然と体は反応し、私は蜜壷から露を濡らすのだった。
【完】