第1章 はじめの一歩はここからでした。
西暦2205年。
歴史の改変を目論む「歴史修正主義者」によって過去への攻撃が始まった。
時の政府は、それを阻止するため「審神者(さにわ)」なる者を各時代へと送り出す。
審神者とは…眠っている物の想い、心を目覚めさせ、自ら戦う力を与え、振るわせる技を持つ者。
その技によって生み出された付喪神「刀剣男士」と共に歴史を守るため、審神者は過去に飛ぶ――。
「…というのが、審神者でス」
「へぇー、タイムトラベルができる人なんだねーすごーい」
とある一室で、長身の男性が少女と講義を行っていた。
少女は棒読みに近い口調で拍手しながらそう言った。
「いえ、旅をするんじゃなく歴史を守るために戦うんデス。そして貴女は時代へ飛ぶことはデキマセン。歴史を行き来できるのはあくまでも、刀剣男士達だけなのデス」
すると、少女は軽く舌打ちをする。
「……つまらん」
「つまらんとか言わないでクダサイ。貴女、ちゃんと研修受けてきたのに忘れたんデスカ?審神者に立候補したのは貴女自身デショウ?」
「うん!武器見たいからっ!」
少女を瞳をキラキラと輝かせながらそう言った。
この新人審神者、今日から自分の本丸を受け持つことになっている。
今は今までのおさらい中である。
現世からスカウトされる形でやって来たのだが、
審神者になると決意した理由はというと…
「武器!?観られるの?!触れるのおお!??
やるやるー!!そういうの待ってたんだぁ!!」
すっかり戦う気満々。
その後、実際に戦うのは審神者ではなくて刀剣男士だと告げられると一気にそのテンションはガタ落ちた。
しかし、そんな少女を政府がスカウトした理由も審神者の素質があったから。
素の霊力も高かったが、政府が一番目を付けたのはその霊力容量。
それは人間とは思えないほどで、どんなに霊力を消費しようとも尽きることを知らず、高位の術式を使用しても涼しい顔をしていた。
各術式に対してのセンスも悪くなく、優等生と言われても遜色ない実力だったが…彼女には欠点があった。
人とコミュニケーションを取らない。
人に興味がいかず武器にいくのだ。
人と話をするくらいなら、武器と向かい合っていた方がいい。
研修時も、同じ審神者研修生と交流せずに一人で武器関連の雑誌を読みふけったりしていた。
そんな経歴の少女なので、男性は軽くため息をつく。
