それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】
第6章 赤の王がその名を汚す
新学期が始まってから、どうも仕事が忙しい。
オーバーブロットする者が多発しているようで、スノーは大忙しだ。
隠せとは言われていないものの、仕事の内容はできればみんなにバレたくない。
スノーは疲れたようにため息をついた。
さすがに先生方にもハードワークなのが伝わっているのか、授業をサボってもお咎めがないのだけが救いだ。
のんびりテラスでお茶をしながら寛ぐのも久々である。
「ローズハート先輩、次のなんでもない日のティーパーティーっていつでしたっけ?」
アイスティーのグラスに刺したストローをクルクルと回しながらたずねる。
「あらアンタ、本気で行くの?」
リドルよりも先に、ヴィルが珍しそうに口を開く。
「本気で行くの、とはどういう意味だ!
…来週だ、スノー」
プリプリと怒りながら、レモンティーをチューチューする彼は、なんとも可愛らしい。
「んー、最近ちょーっと仕事が忙しくて…
たまには息抜きにぱーてぃーとか行きたいな、なんて思いまして。
着たいドレスもあるし。」
「アンタがドレス着るなら、私も覗きに行っちゃおうかしら。」
クスクスと笑みを浮かべるヴィルは、いたずらっ子の顔をしている。
「さすがにポムフィオーレの寮長まで来たら、なんでもない日ではなくなるな」
想像したリドルが、ほんの少し嫌そうな顔をする。
「間違いないですねぇ。」
リドルが手土産に持ってきた、トレイ作のアップルパイにフォークを突き立てながら、スノーはケラケラと笑う。
「そういえば、オンボロ寮の内装を一新してみたんですよ」
「あぁ…そういえばこの前大掛かりになんかしてたわね」
クルーウェルにたっぷりご褒美をもらった翌日、ガラッと内装を一新してやったのだ。
カラーリングはもちろん懐かしのスリザリンカラーだ。
緑とシルバーでまとめあげた内装は実にいい出来だと思う。
「今度お披露目パーティーでもしようかな、なんて思ってまして。」
「スノー、完全に乗っ取ったな…」
リドルがヤレヤレという顔見てくる。
とはいえ、出資がスノーなのだから、ユウやグリムは文句を言わないだろう。