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それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】

第3章 見せつけ見下す


いつ服を脱いだかもわからないが、生まれたままの姿で2人はベッドに横たわる。
レオナの逞しい腕に抱かれ、その厚い胸板に頬を寄せながら、スノーは甘ったるい余韻に浸る。

「気持ちよすぎて頭がおかしくなりそうだった…」

「そりゃ光栄だな」

抱き寄せて額にキスを落とす彼は、本当に優しい紳士だ。

「戯言を、聞いてくれますか…」

「んぁ?今日はずいぶんと甘えたがりじゃねーか。
寝るまでなら聞いてやる。」

「私…自分が付き従う人が、この世の王になると信じてたんです」

「ほぉ?」

「でも、その人は死にました。
負けるはずのない格下の相手に殺されました。」

「…そうか」

「私は、私は…それでもやっぱりあの人が大切で、諦められなくて。
どんな手を使ってでも、あの人の世界を作りたいんです」

「…勝つために手段なんか選ぶ必要はないだろ。
俺だってそうだ。
俺は生まれながらにして2番手だ。
いつかは1番になりたいと渇望し続けてんだ。
だから、汚いマネをしたって上にのし上がってやる」

「…キングスカラー先輩は、強いですね。」

「お前だって強いだろう。
…女ひとりで異世界に飛ばされて、心細いだろうよ」

レオナの大きな手が、スノーの髪を撫でる。
幼い子をあやす様に、優しく撫でる。

スノーが睡魔に負けて寝てしまうまで、レオナはその弱音を受け止め続けた。

突然異世界から飛ばされてきた女の子。
取り乱し、大粒の涙を零しながら、闇の鏡の前で崩れ落ちたスノー。
あの日の記憶はレオナの脳裏にしっかりと焼き付いている。
絶望と復讐に燃えた目。
震える細い肩。
悲痛な叫び声。

足りないものを埋め合うかのように、何度も体を重ねた。
絶望を味わい、焦がれる様は、酷く自分と似ている気がした。

すぅすぅと寝息を立てるスノーの額にもう一度唇を寄せる。



「お前も俺も、這い上がるしかねぇよな…」
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