それでも私はかの君を愛してる【twst・ハリポタ】
第7章 核心には届かない
背中から抱きしめられたまま、スノーは緩く目を閉じた。
トクトクと規則正しい鼓動をその背に感じながら、一抹の罪悪感を感じる。
嘘は、言っていない。
分割した魂を元に戻すためにも必要だから。
我が君を復活させる為に必要だから。
それでも、本気で己の身を案じるレオナに対して申し訳なさを感じるのは、この先にやろうとしている事が、危険極まりない事だからだろうか。
「目的の為になら手段は選ばない…
そうでしょう、レオナ?」
ずるいな、と自嘲しながらそう問うた。
これ以上は聞かないで欲しい。
どうか知らないままでいて欲しい。
そんな思いが、レオナの言葉を奪う問いを発した。
「だからブッチに、ね?」
レオナだってマジフト大会で優勝する為に、許されない行為をしているではないか、とチクリと刺してやる。
「…知ってたのか」
「誰にも言わないわよ」
私もあなたも、手に入らないものを手に入れたくて焦がれる。
互いに傷を舐め合い、泣けない代わりに情事に溺れる。
くるりと腕の中で体を反転させれば、苦虫を噛み潰したようなその顔に、その頬にそっと唇を落とした。
「スノー…」
困ったように呟いたレオナの胸板に額を擦り寄せ、スノーはゆっくりと目を閉じた。
少し疲れたから、この逞しい胸元に身を寄せて眠りたい気分だった。
大きな手が緩く頭を撫でてくれる。
人よりも少し高い獣の体温は、ゆっくりとスノーを眠りに引きずり込んで行った。