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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第22章 月と馬







肩に手を添えて身体をかがめ、ゆっくりと口付けた。






…抵抗なし。






やわく、啄むように数回口付ける。







…あれ、予想外に応えてくるんだけど………
薄目を開けてチラと見ると、目を瞑ってる。
これじゃ止まんない






肩に添えてた手を腰に回し、段々とキスが熱を帯びてきて
お互いの舌が掠める程度に触れた…








それと同時にハッとしたように穂波さんが僕の胸を押す。








『………』

「ドキドキしてますか?」

『………』

「僕はドキドキしてます」

『………』

「どうしよう…とか思ってます?」

『………』

「穂波さん?」

『………』

「多分、お互いに惹かれあってます。僕はもう、どっぷり好きですし」

『………』

「…今のは、言わなくていいんじゃないですか。話さなきゃ、とか考えてますよね」

『………』

「あ、別れて僕のとこに来てくれるなら言えばいいですけど」

『…や………』

「分かってます。今のは半分事故、半分催眠術です、穂波さんにとっては」

『………』

「何もかも話して解決もいいけど、言わなくていいこともあるかもしれないですよ」

『………』

「穂波さんが自分を責めたら僕も謝らなきゃいけなくなります。
僕、謝りたくないです、今の。 なので…」

『…うん、分かった』

「いろいろ利用しました。特に馬に乗って恍惚としてるのを」

『蛍くん、辛くない?』

「僕は、穂波さんが辛くなければすごい幸せですけど。キスできて」

『…でも、もうできないよ?』

「大丈夫です、またします」

『…はい?』

「穂波さん、チョロいんで」

『なっ!チョロいとな!』

「はい、チョロいです」

『…チョロ………』

「あははっ 僕が音駒生だったら、さっさとメロメロにできるのに」

『へっ…』

「好きです。でも今はそれだけでいいです」

『…あ、うん。 蛍くん。 本当に嬉しいよ。ありがとう』

「いえ、こちらこそ。 …それにしてもやけにあっさりしてません?
もっと、取り乱すかと思ったんですけど…」







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