第21章 スイカ
ー穂波sideー
7月30日(月)
合宿4日目。
4:30
よく寝てすっきり目覚めた。
生理も3日目にもなると起きれる。
なんていうか、逆に調子良くなってくる感じ。
…でもいつ、布団に入ったっけ。
研磨くんのお布団でごろごろしてたとこまでしか思い出せない。
隣でゲームしてて、いつも通りで、
でもちょっと話す内容とか布団の狭さとかが当たり前にちがって…
妙に幸せだった。
…はて?自分の布団にいつきたかはわかんないけど、
兎にも角にも昨日の夜は幸せだったということでいっか。
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洗濯機が回ってる間、外を歩くことにした。
本は今日は持ってこなかった。
水筒だけ指に引っ掛けてぷらぷらと歩く。
…馬、朝の散歩とかしてたらいいのに。
途中で京治くんの後ろ姿を見つけた。
追いつかなかったら声もかけなくていっか、って思ってたんだけど、
途中で京治くんが立ち止まって空を見上げたから追いついてしまった。
『京治くん、おはよう』
「あ、穂波ちゃん。おはよう。向こうから来たの?」
『うん、散歩。折り返していまから洗濯室。京治くんも散歩?』
「うん。 今ちょうど穂波ちゃんのこと考えてた」
『…ほぉ』
「綺麗なものをみると穂波ちゃんを思い出す」
『…ひぇ』
「…そうだ、昨日はよく眠れた?」
『…?うん、よく眠れた。ちょっと記憶がないんだけど…すごく幸せな気分だった』
「…そっか。うん、それならよかった」
『京治くんも寝れた?』
「あぁ、うん。いつも通り、寝れたよ。
…朝起きて、隣に好きな人が寝ていたらどんなにいいだろうって。今朝ちょっと想像した」
『へぇ… 好きな人、いるの?』
「うん、いるよ」
『わぁ…みんな恋してるんだなぁ。だから一層魅力的なんだね、きっと』
「うん、穂波ちゃんもね。すごく魅力的だよ」
『ありがとう。素直に受け取っちゃおっと。 …じゃあ、私は洗濯干してくるね』
「…うん、また」
『良いお散歩を〜!』
蛍くんも京治くんも好きな人いるんだなぁ!
きゅんきゅん。