第21章 スイカ
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「研磨!トスあげて!」
今日の練習が終わって、
ボトルを洗いに行こうと思ったら
翔陽くんが研磨くんのところに走ってきた。
午後の烏野との試合で、
翔陽くんが影山くんに「手ェ抜いたな!!?」って言った。
わたしにはいっそわけがわからなかったけど、
ただ、不信感はひとつもない、信じてるからこその怒り?みたいな。
そういうのだけはわかった。
多分本当に絶妙なバランスで成り立ってる、
2人なんだと思う。
性格、バックグラウンド、スキル、身体能力、経験…
ほんとにどれをとっても。
見ていてゾクゾクする。
たとえ、決まらなくても。
たとえ、2人が喋らなくても。
たとえ、言い合いをしていても。
「えー………」
研磨くんは嫌そうにしてる。笑
するのかな、これがリエーフくんだったら逃げるよね。
「研磨のトス打ってみたい!」
「ちょっとだけ!」
翔陽くんの無邪気な誘い。
あぁ、たまらないこの2人。
あ、するんだ♡
ちょっと見てこっと。
5本したとこで、
まだやるならボトルを洗ってこようって出口に向かう
「あぁっ 研磨!!逃げたな!!」
「…ちょっとだけって言ったじゃん」
「ちょっとって…まだ5本しかやってない!」
「もう5本もやった………」
研磨くんがついてきちゃった。
「穂波、おれも一緒にいく……」
『えっ あぁ、うん。笑』
ごめんー翔陽くん。
でも研磨くんの自主練?を5本見れただけでもわたしはうれしい。
ボトルを洗って、ビブスを洗濯機にかけて、
一度部屋に行ってから一緒にお風呂場へ行った。
それから、わたしはシャワーして、ビブスを干してから
研磨くんと一緒に食堂に向かう。