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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第21章 スイカ


ー月島sideー





もうなんでもいいやと思ってしまうと、
ラクなものだった。

話したいなら会いにいけばいい、それだけだと。
…会いたいから話にいく、の方が正しいのかもしれないけど。




バレーについてもそんな感じはある。
もっと上手くなりたいだとか、そういう類の感情を認めてしまえば、
ごちゃごちゃとした考えは薄らいでいった。
…というか、考えている暇がないというか。
梟谷と音駒の主将にうまいようにノせられてるだけなのかもしれないけど。







「なにがどうなって走って踊ることになったわけ?」

『えっ そこ?』

「なにが?」

『ううん、ちょっと思ってたのと違って。なにがどうなって…
風が吹いて、風に乗って走ってたら、知らない内に踊り出してた。

…って、あああああ その、目。 蛍くん、その、目』

「理解不能です」

『あああ です、ついちゃった』

「…?」

『ねぇ、蛍くんのその首傾げるのすっごい破壊的』

「意味がわかんない」

『………』

「………」

『あ、もしかしてわたしも質問していいの?』

「どうぞ」

『蛍くんには好きな女の子がいますか?』

「はっ はぁ!? なにいきなり」

『あはは、ごめんごめん。ちょっと前のときと間が空いちゃったから』

「…多分、 …いや、はい、いますよ」

『おぉぉぉぉ〜 いいね。 ふふっ』




この人、僕のことなんだと思ってるんだ。
昨日あんなことしても、一昨日のキスまがいなことも
なんだと思ってるわけ。
…はぁ、意味わかんない




「…穂波さんは、僕のことどう思ってますか」

『とても魅力的な男の子だと思っています』

「どこがどう、魅力的なのさ」

『何個まで、とかある?延々続いちゃいそう』

「10個」



いや、多いでしょ。
自分で言っておきながらなんだけど




『優しいとこ、辛辣なとこ、冷静なとこ、頭の回転が早いとこ、意外と懐っこいところ、
声が印象的、喉仏が色っぽい、髪の毛が柔らかそうで触りたくなる、笑うときは思い切り笑うところ、
その笑う姿がかわいいとこ、負けず嫌いなとこ、喉仏っていうより首が全体的に色っぽい…』

「…いや、ちょっと、もう10個言ったから。調子狂うからヤメて」






…まぁもう、とっくに調子狂ってるんだけど。









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