第20章 banana pancakes
『あ、そっか。家で仕事してるし、どこいっても仕事ができるっていうのは
研磨くんが前に言ってたのとちょっと近いね』
「………」
『カズくんのお父さんは、結構人にも会ってるしスケボーも大好きで撮影もするし、
すぐに繋がらなかったけど。 …ってわたし的外れなこと言ってる?』
研磨くんは天を仰ぐようにして大きく息をついたので、
頓珍漢なことを言ってるのかもしれないという気がした。
「…いや、的外れではないんだけど」
『………』
「…ちょっと恥ずかしいから、その話は一旦忘れてもらってもいいかな」
…恥ずかしい?研磨くんが?
それに今の話のどこが恥ずかしいんだろう…
不思議ではあるけど、この話はお終いにしたいんだもんね。
『…お茶飲む?』
「うん。 あ、ココア美味しかった」
『…ふふ、よかった。 ちょっと下行ってくるね』
開いたグラスを持って下に降りる。