第15章 さくら
4月5日。
始業式。
朝練はない。
昨日の夜にオーストラリアから帰って来た穂波と、
電車で待ち合わせ?して一緒に学校に行く。
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『研磨くん、クロさんおはよう!』
ゲームから目を離して顔をあげると かわいい笑顔。
…あー会えた。嬉しい。
「…ん、おはよう」
「おっはよ〜穂波ちゃん」
『クロさん3年生〜♡』
クロ「…どした?」
『ううん、そのまま。クロさん3年生かぁって』
クロ「…だなぁ、 …って反応しずれーわ 笑」
『あはは』
研磨「…今日、部活ない」
『え、そうなんだ。…一緒に過ごせる?』
クロ「うん、喜んで♡」
研磨「…ちょっと、クロ」
『あはは!』
研磨「うん、明日も入学式だから休みだし…」
『…うち、泊まってける?』
クロ「…おぅ、寝かせねーよ?」
研磨「クロ」
クロ「はい」
『………///』
研磨「…穂波も照れなくていいから」
『だっ… 照れてない!』
クロ「お。俺に?俺に照れたの?」
…残念だけど、クロ、多分穂波は、
泊まってける?って自分がした質問が
そこに繋がったことに照れてるだけ。
研磨「…朝もゆっくりできるのなんてあんまないし、穂波ん家がいいなら泊まりたい」
『わわ!わーい。嬉しいな。嬉しいな』
研磨「…アキくんの大会もみれたら」
『うん、みれるといいな。昨日今日は、波が良くなくてやってないんだぁ。
明日開催されたら、準々決勝と準決勝』
クロ「え、そこまで残ってんだ。アキくん」
『うん、お兄ちゃんいまの開催地の波、好きなの』
クロ「…ツアーってことは、いくつか廻って最終的なスコアで誰が一位か決めるってこと?
世界ランクみたいな」
『うん、そうだよ。このあとは西オーストラリア。
マーガレットリバーっていうとことなんだけど、サメが』
クロ「サメ!」
『毎年ちょうど出る時期なので何といったらいいか… こわい』
クロ「ひえ〜〜〜…」
『ちゃんと警備?みてる人たちもいるし、大丈夫なんだけどね。でもどきどきする。
明日入学式かぁ〜♡ すぐに一年生は部活に入れるの?』