第5章 夏
週明け、1週間学校へ行って、夏休みが始まった。
明日からおれらは合宿で
穂波は明後日のフライトでハワイに行く。
今日は午後、バスケ部が体育館を使うから久しぶりに午前で解散。
夏休み入ってから2回穂波と待ち合わせをして会ったけどどれも短時間で、
今日は穂波と久々にゆっくり過ごせる。
合宿前だし、出掛けたりはせずにゆっくり過ごそう、
穂波の家かおれの家か、
話した末におれの家に来ることになった。
〇〇駅で穂波が乗ってきた。
夏休みに入って穂波の私服をみてるけど、
シンプルでゆったりしていて、だけど大体いつもどこかしらの肌が多く出ていてどきっとする。
でもいやらしい露出には見えなくって、健康的ですごく良いと思う。
今日は丈の長い黒いワンピース。
肩は出てるけど足は隠れてるな、、、なんて思ってたら
背中の真ん中あたりまで後ろが開いててびっくりした。
長い髪を下ろしてるから、そんな全部がみえてるわけじゃないんだけど、気になってしまう。
15歳でこんな垢抜けた露出をしちゃうのは海外に行ったりしてるからかなのかな…
『研磨くん、クロさん!部活お疲れさま』
「…ん」
二駅はあっという間で電車を降りる。
おれとクロの家は隣なので、3人で歩いて帰る。
(すぐ脱がせれそうな服着てんな〜 この子はこれが普段通りなんだろうけど… 研磨は大丈夫なんだろか…)
「あそこがおれの家、その向こうが研磨ん家」
家が近くなってクロが言うと、
『あのね、研磨くん…ここしばってくれない?』
穂波が背中を向けて言ってきた。
背中の方に紐が2本ぶら下がっていて、ずっと気になってはいた。
これを結べば、だいぶ背中が隠れるんじゃないかなって。
紐を結びやすいように髪を片側に寄せてるから、
今目の前にはぱっかりとあいた背中があって、近くで見てるだけでどきどきしてしまう。
おれは15さいの普通の男子だ。
「…え、これ?蝶々結びにすればいいの?」
『…うん、蝶々結びでお願い』
「…ん」
なるべく素肌に触れないように慎重にやった。
なにこれ着せる動作みたいな。
ちょっと心臓に悪い。