第4章 矢印
ー研磨sideー
〇〇駅で穂波とツトムくんが降りた。
ただの家族ぐるみの友達とはわかっても、
一緒に家に帰って、明日も泊まりで出掛けるなんて、
ちょっと心がざわざわした。
…けど、彼氏って紹介してもらえるのは嬉しかったな……
「…妬いた?」
「…別に。妬いてないけど」
「…こういうの、多そうだよな。穂波ちゃん。
本人がどうこうとかじゃなくて育ち方とか、環境で勝手にそうなってんだろうけど」
「………」
「俺らは明日バレーだな。練習試合っつっても気合入れろよ、少しは」
「…うん、まぁ」
おれはバレーが好きでも嫌いでもないし、
なんとなく続けてる。
おれをみて穂波は何を思ったんだろう。
将来のこととか、考えたのかな。
穂波のこと、
当たり前だけど知らないことがまだまだたくさんある。
夏休み、部活ばかりだけど、
ちょっとでも多く穂波のことを知れるといい。