第14章 blooming
ー研磨sideー
「なぁ、研磨はホワイトデーなに渡すの?来週の水曜だろ」
「え」
3月も1週間が過ぎた頃、夜久くんに言われて気付く
夜久「あ、お前忘れてただろ」
研磨「………」
夜久「なーんかみんなサイズも想いもばらばらとくれるから正直わかんねぇよな〜
今年も母さんに丸投げでいいかな」
研磨「………」
クロ「…俺も買いにいかねぇと。あぶねー」
海「穂波ちゃんにはバレー部からまとめて1つ送るって言うのもいいかもな」
夜久「おーいいねそれ、世話になってるし。美味いのもらったし」
クロ「音駒男バレみんなの彼女的存在」
研磨「……」
夜久「…で、研磨決まった? 今ゲームしながらも考えてたんだろ」
研磨「…あぁ、まぁ」
夜久「…なんにすんの?」
研磨「…別に。普通に」
夜久「なーんか研磨ってさ、そういうの疎そうなのに、洒落てるっつーか
見当違いなことしないから、まとまってるっつーか
やけにこなれてるっつーか… ずりぃ
雑誌にもでかでかと載りやがって…」
海「ネックレスも似合ってるもんなぁ。
無駄のない本当にシンプルなものなのに、すごい存在感で首元にある」
研磨(…海くんそんなこと考えてたんだ)
夜久「だからさ、彼女に何お返しすんのか教えろよ〜 今後の参考になるだろ」
研磨「…いや、だから別に普通に」
夜久「お前それ、ネックレスのこと知って、話聞いたときも言ってたから!
普通じゃねぇの、なんかチョイスが垢抜けてんの」
研磨「あれはただ、アキくんがいいとこに連れてってくれたから…」
クロ「…で、何あげるの?」
海「俺も聞きたいな」
研磨「……」
言う必要性がわかんないし、言う気もない
言うほどのことでもない
そもそも穂波にピンとくるものってだけなのに
そんなの他の人には参考にならないし
夜久「なんだよ、だんまりかよー。 バレー部からは何がいいかね〜」
クロ「無難に食いもんだろ」
夜久「せっかくなら喜ばせたいよなぁ 俺ら彼女いねーし」
研磨「………渋谷に行きたい店ができたって言ってたけど」
クロ「 …いきなりの情報提供」
夜久「研磨はそこで買うわけ?」
研磨「…いや、おれは違うけど」
夜久「へー、名前教えといて」
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