第12章 smh
「ひひっ どきどきした?」
ニヤリと笑ってごまかす。
冗談だよ、冗談。
…なんて、さらっと身体離してただのハグにできてねぇ時点で
これは意識してましたって言ってるようなもんだし。
…何やってんだ俺。
『………もー!』
「いやだってほら、ハグのお礼にどきどきをプレゼント」
『………』
「いつも俺なんて眼中にないでしょー?初めて俺にどきどきしてくれたんじゃない〜?」
『……どきどきしたよ』
「それはよかった。 ハグの代償で研磨に無視されるかも…」
『…クロさんってさ』
「…ん?」
『ううん、なんでもない』
「俺に惚れちゃったなら責任はとるから、いつでも飛び込んでおいでね♡」
『うん、わかった♡
今みたいにクロさんもどうしてもぐるぐる〜ってなったら、freehug.穂波.comまでおいで♡』
「…ぶっ 笑 ありがとね。癒された。お尻触らなかっただけ、研磨に褒めてもらうわ」
穂波ちゃんは一度、
落ち着いたトーンで真面目なこと言おうとしてやめたみたいだった。
それから俺のふざけたノリに付き合ってくれる。
さっきのハグ、さっきの真っ直ぐに見つめる目、からの軽いノリ。
この緩急に… またグッときちゃうじゃん
『…わたし、研磨くんのとこ行ってくる。』
「…おー 俺も行く?」
『…いや、クロさんはクロさんでかな。 …んーやっぱ2人でかな?』
「…とりあえずお先にどうぞ」
『うん、行ってくる!』
研磨のことを思い出したら
もう、止まんないんだよなきっと。
なんの迷いもなく、真っ直ぐに
すげぇ可愛い顔して研磨のところへ向かおうと走り出す
俺の横を走りすぎたとこで
手首を掴んで抱き寄せた
…何やってんだ俺 まだ引き留めてぇの?