第12章 smh

ー穂波sideー




水曜の昼休み、この間休んだ教科のことで職員室に呼ばれた。
プリントをもらって廊下に出るとクロさんに遭遇した。





「お。穂波ちゃん。なんか久しぶり」

『え、この間家にきてくれたじゃん。笑』

「でも学校ではあんまり会わなかったことない？
研磨といるのは見かけるけどちっとも俺のとこには来てくれないし…」

『…笑　クロさん元気？』

「ははっ　元気元気　…そーいやーさぁ、日曜、梟谷と練習したんだけど」

『あぁ。研磨くんが言ってた。　せっかく誘ってもらったのにお手伝いできなくてごめんなさい』

「あーそれはいいの。　マネじゃないのにこっちが勝手に頼んでるだけだから」

『…それなんだけどさ』

「お」

『もし春からもマネージャーがいないようだったらなんだけど、声かけてもらえると嬉しいナって。
いつも断ってばかりで言うのもなんなんだけど…』

「マジに？　頼むよこれからも。　それに暇だったら普通に放課後とかきてよ」

『うぅん。うん。普段の練習となると、どうしても遠慮しちゃうけど…』

「…あー、いやでもさ、合宿とかはもう頼まないほうがいいのかなって思ってたわけよ」

『…あ、そうなんだ。それならそれでいいんだよ。わたし何にも知らない素人だし』

「いやいや、そういうことじゃなくて。
穂波ちゃん木兎に惚れられてんだろ？」

『ボクト………』

「梟谷学園の」

『あ、光太郎くん。　光太郎くんがどうしたの？』

「………。　いやだから、合宿とかきたらあいつもいるよ」

『うん。　…あれ、迷惑になるかな』

「いや、迷惑じゃね？穂波ちゃんにとって」

『…ん？　え、そんなことはないよ。光太郎くんてなんか、パワフルだよね』

「………はぁ」

『え。　あれ、クロさん怒ってる？』

「いや、よくわかんない」

『…………』

「…わりぃ、穂波ちゃんは悪くねぇってか誰も悪くねぇんだけど」

『…………』

「…なんでそんなに研磨も穂波ちゃんも飄々としてんの？」