第11章 暁
スポンサーとのいろいろを選手目線から話してくれたり
立ち上げた会社でジャンルは括らずスポンサー側にも取り組むつもりって
そっち側の話も聞かせてくれた
確かに、気になることがあったら
聞いてみるといいのかもしれない
気になることがあまりないおれだけど…
それが聞ける相手なら
アキくんとの時間はなんというか
いろんなぼんやりしたイメージが鮮明になるというか
今までにない感じの時間だった
おもしろい
「よし、着いた」
研磨「…あ、ここ」
夏休みのBBQの次の日、ツトムくんが連れてきてくれたとこだ
「来たことある?」
「…うん、前にツトムくんが連れてきてくれた」
アキ「ここうまいし、内装もかっこいいよな」
研磨「うん」
注文はアキくんに任せてぼけっとする
ほぼ初対面の人と長時間一緒に過ごしてるのに
全然疲れないのはなんでなんだ…
無重力空間?
穂波の家族はなんかおかしい
何かの覇者? 魔術師? 伝道師………
異世界からの…
「…研磨」
「え」
アキ「お前たまにどっか行くよな。 ファンタジーの世界?」
研磨「…なにそれ、どこもいってない」
アキ「…ふ 笑」
研磨「ツアーの合間に日本帰ってきたりするの」
アキ「おー、今年はそのつもり。去年は撮影とかも海外でしてもらって全然帰らなかったし。
今年は日本の企業とか、日本でもいいかなとか
なに別れる前から俺に会いたくなってる?」
研磨「…別に。 …そんなんじゃ、ないけど」
アキ「もし万が一、穂波と別れても研磨は俺のかわいい弟だわ。ちょーかわいい」
研磨「………」
ごはんを食べて店を出て、家の前まで送ってくれた。
「研磨、今日楽しかったワ。ありがとな」
「…いや、………」
アキ「嫌?w まだ離れたくない?w」
研磨「…いや、えっと …おれの方こそ、ありがとう
…ネックレスもすごい良いの買えたし …作ってる人も良かったし
えっと…あと、ご飯も美味しかった。……ごちそうさま………」
アキ「… 笑 あー、今日のこと穂波に話せないのが辛い。
研磨ってかわいいよなぁ〜って盛り上がりたいのに」
なんとかお礼を言って、車を降りた。