第11章 暁
ー研磨sideー
月曜の朝。
朝練を終えて部室へ行くと、
部室の前で穂波が待ってた。
『研磨くん!おはよう。 朝練お疲れさま』
すっごい笑顔。
大きな花みたい。
「…ん、おはよ。どうしたの」
『ただ会いたかっただけ。汗冷えちゃうから着替えてきて?』
「…ん」
・・・
クロ「…何年かぶりにあったのかってくらいの笑顔だったな。あれなに?」
研磨「…知らない」
・
・
・
「…穂波、なんでそんなににこにこしてるの」
部室から教室に一緒に行く時も
さっきの移動教室の移動中も
それから今、弁当を食べてても穂波はずーっと上機嫌というか、
やたらにこにこしてる。
『昨日、研磨くんに会いたくて仕方なくなったんだけど、我慢したから。
無理にでも会おうと思えば奇襲かけれる距離だから我慢するのも一苦労。笑』
「…奇襲」
『昨日ね、お兄ちゃんと××のショッピングモールに行ったの。
そこで、梟谷学園の光太郎くんに会った』
「…こうたろうくん。 …あ、木兎サン?」
『うん』
「…あれ、知り合いだったっけ」
『ううん、合宿のときのSkypeに映ってたのみて、顔を覚えててくれたみたい』
「…へぇ」
おれが寝てる間になんか集まってたんだっけ
『…でかくかくしかじかで一緒にご飯食べることになって、好きって言われた』
「…ん。あきらめるとかは…しなそうだよね」
『うん、でもだからってどうこうって感じでもなかった。おもしろい人だね』
「…うん、おもしろい人だよね」
『それで研磨くんのことを思い出して会いたくて仕方がなくなったの』
「…なるほどね」
…だからこんなににこにこしてるのか。
あれ、前にサッカー部に告白されたって聞いたときとか
体育祭の時みたいにもやもやしないな 全然。
木兎さんのことを少し知ってるからか、
いろいろ経て穂波のこと信用してるからなのか
いや、穂波のことは前から一つも疑ってないんだけど。